自作泥濘(ぬかるみ)日記
最低山極悪寺 珍宝院釈法伝
最終更新 2003年01月05日
2002年06月01日(土)
MSモデム
フレッツ8Mで使用するADSLモデムには、MN,MSのふたつのタイプがある。MNタイプならば、工夫次第でルーターとして使えるらしいが、MSにその機能はない。
MSタイプのモデムで保守モードに入るには、まず、ルーターを介さずに、モデムとPCを直接繋ぐ。次に、ケース背面の小さな穴にスイッチがあるので、これを爪楊枝などで押しながら、電源スイッチを入れる。次に、ブラウザで、
http://root:root@192.168.1.1/cgi-bin/debugcmd.cgi?cmd=tone
と入力する。これで、接続速度とビットマップが表示される。ウチの場合、接続(リンク)速度は、
Upstream = 832Kbps Downstream = 7008Kbps
となっている。線路条件は870m、伝送損失は24dBである。
一般的に、実際の伝送速度は、リンク速度の8割程度らしい。ルーターを外した状態では、複数の計測結果が、下りで5.6Mbpsを越えているから、問題のない数字である。
これで、ルーターがスループットを2Mbps以上引き下げていることが解る。さすがにこの数字は大きい。
ルーターの選定
どうせ高速ルーターを買うなら、速いほうが良い。ということで候補として選んだのは、以下の通り。
メルコ BLR3-TX4 \14,800
アライドテレシス CentreCOM AR230E \20,800
コレガ BAR SW-4P Pro \18,800
NTT Web Caster AR230 \18,800
プラネックス BRL-04FA \15,800
NTT-ME BA5000 PRO オープンプライス
メルコについては、カタログ通りのスループットが確保できるかどうか怪しいという評判があるので不可。
プラネックスとNTT-MEの製品は、同じハードウェア、ほぼ同じファームウェアである。この製品は、発熱が大きいという欠点が、ネット上に報告されている。
アライドテレシス、コレガ、NTTの製品は、ほぼ同じハードウェアである。違うとすれば、ファームウェアと外観のデザイン。この製品群から選ぶとすれば、NTTが良い。PCの外側をすべてNTTで固めれば、クレームや相談は、NTT1カ所で済む。しかも、NTTの場合、116で24時間、ユーザーに対応している。何かと評判の悪いNTTだが、私の知る限り、関西圏のNTTはしっかりしている。
ついでに言えば、今回、ルーターは、116経由で発注した。こうすれば、送料は無料、代金は、電話代と共に、銀行から引き落とされるので、代金引換手数料もなしである。「担当の上月さん、期待してまっせ。」
2002年06月03日(月)
ADSLの速度改善
ここで、ADSLの速度改善についてまとめておく。ADSLの速度改善には、前提として、最低限次のデータが必要である。
データ名 |
説明 |
取得方法 |
線路長(線路条件) |
収容局からPCまでの電話線の長さ |
NTTやYahooの調査ページ |
伝送損失 |
伝送する際に失われるデータ信号の強度 |
同上(但し机上計算値) |
接続(リンク)速度 |
モデムと局の間で決定される最大接続速度 |
モデム |
MTU |
1回に転送されるデータのサイズ |
EditMTU NetTuneなど |
RWIN |
転送確認をしないで転送するデータのサイズ |
同上 |
時間がないので、後日に回すことにした。シクシク。
2002年06月09日(日)
ルーター Web Caster AR230
116から申し込んだルーター(Web Caster
AR230)が到着した。担当者の言葉通り、1週間で到着した。前に書いたように、これは、アライドテレシスのCentreCOM
AR230Eを、NTTが、別名で売っている商品である。
NTTロジスコの封筒から出てきた箱は、アライドテレシスのAR230Eそのままであった。(苦笑)。アライドテレシスの箱に、NTT西日本 Web
Caster
AR230のシールが貼ってあるだけである。ルーター本体も、アライドテレシスそのままで、正面左下に、NTTのシールが一枚、貼ってあるに過ぎない。
ここまで徹底されると、文句のつけようがない。ファームウェアのバージョンアップなどは、以後、アライドテレシスも参照することにする。
設定はこれまで通り、MACアドレスに対して、ルーターのDHCPサーバーから、固定IPを割り振り、フィルタリングで、PC3台をインターネットに出し、残る3台は、インターネットに出さないことにした。
ルーターのWAN側は、ステルスにして、ノートンのFirewallソフトを使用するのも、以前と同様である。
お約束の速度計測
測定時刻:2002/6/9(日) 21:44:47
計測サイト:http://www.broadland.jp
対象サーバー:DTI
回線種類:ADSL8M
計測結果:
■テストタイプN:4.976Mbps
■テストタイプB:5.159Mbps
※B値、N値のバランスがとれています。
計測サイト http://member.nifty.ne.jp/oso/speedtest/
データサイズ = 1 M バイト/接続 × 2 接続
総受信時間 = 2.91 秒
総平均速度(バイト/秒) = 687 k バイト/秒
総平均速度(ビット/秒) = 5.498 M bps
[ 2接続同時有効部 ] 受信データ量 = 1.718 M バイト (推定値)
受信時間 = 2.36 秒
平均速度(バイト/秒) = 728 k バイト/秒 (推定値)
平均速度(ビット/秒) = 5.823 M bps (推定値)
まあまあの数字である。これで、ルーターが速度の足を引っ張る状況は払拭されたと思う。
WEB Caster AR230が、アライドテレシスのCentreCOM
AR230Eだと判明した以上、NTTには掲載されていない新しいファームウェアを入れなければ嘘である。アライドテレシスのサイトから、最新版(V.2.0.0)を入れることで、下記の丸印が、新たな機能として追加される。
■ WANポート:10BASE-T/100BASE-TX×1
■ LANポート:10BASE-T/100BASE-TX×4
■ NAT/ENAT(アドレス/ポート変換)機能
■ DHCPサーバ/クライアント
○ PPPoE (複数グローバルIP(Unnumbered)対応/セッションキープアライブ機能)
■ DMZ機能
■ バーチャル・サーバー機能
■ Webブラウザによる簡単設定
■ パケット・フィルタリング
○ ステートフル・インスペクション型ファイアウォール
○ 攻撃検出機能
○ MTU/MSS値調整可能
■ ログ管理(Syslog/ログのE-Mail転送/NTPクライアント機能)
ダウンロード時に、製品のシリアルナンバーの入力を求められるが、これまた、ルーターに貼られたシリアル番号をそのまま入力すると、ダウンロードが可能になる。ついでに、pdf形式の新マニュアルもダウンロードして、以前のマニュアルと差し替えておく。
ファームウェアのバージョンアップは、ブラウザ上に専用ページがあるので、これを利用すれば、難なくアップできる。
2002年06月11日(火)
ファームウェアを最新のものに差し替えたところで、最終チューニングを行う。以前、アースは完全にとってあるので、今回は、ノイズフィルタのチェックと、EditMTUによる設定である。
ノイズフィルタ(ミヨシのANF-D01)は、雷のサージ電流を防ぐのが主目的である。このフィルタは、家電ノイズに効果的、放送波、インバータノイズにも、多少、効果があるという。使用してみたが、速度上昇に貢献しない。むしろ、構造上、当然であるが、上りでは、速度低下している可能性がある。ノイズの少ない回線にフィルタを入れれば、挿入損失を生むだけである。よって、ノイズフィルタは、雷のひどい日にだけ入れることに決定。
EditMTUで、試行錯誤した結果、次の数値が、この環境での最終値である。
|
数値 |
|
MaxMTU |
1448 |
Maximum Transmission Unit |
DefRcvWindow |
64768 |
Tcp Recieve Windows Size |
DefaultMSS |
1408 |
Maximum Segment Size MSS=MTU-40 |
DefaultTTL |
128 |
Default Time-to-live |
DefaultTOS |
8 |
|
MaxDupAsk |
1 |
|
SackOpts |
1 |
Selective Acknowledgements |
TCP1323Opts |
0 |
|
PMTUDiscovery |
1 |
|
PMTUBlackHole |
0 |
|
SessionKeepAlive |
120000 |
|
KeepAliveInterval |
100000 |
|
Size S/M/L |
3 |
|
Cache (標準) |
64 |
|
Cache Default |
64 |
|
測定時刻:2002/6/11(火) 18:18:4
計測サイト:http://www.broadland.jp
対象サーバー:DTI
回線種類:ADSL8M
計測結果:
■テストタイプN:5.136Mbps
■テストタイプB:5.542Mbps
※B値、N値のバランスがとれています。
測定時刻:2002/6/11(火) 20:10:41
計測サイト:http://www.broadland.jp
対象サーバー:DTI
回線種類:ADSL8M
計測結果:
■テストタイプN:5.136Mbps
■テストタイプB:5.432Mbps
※B値、N値のバランスがとれています。
2002年06月19日(水)
フィルムスキャナ
長年、使用してきたフィルムスキャナ、Nikon CoolScan
1000が故障した。修理しようとしてNikonに連絡したが、部品保存期間が過ぎているので、修理できるとは限らないと言われた。
最近のフィルムスキャナは、単に、フィルムから画像データを読みとるだけでなく、データから、フィルムのゴミや傷を除去する。更に、褪色したカラーフィルムの色を再現する。私の使っていたCool
Scan
1000では、この機能がないので、レタッチソフトで、長時間、根気のいる作業をしていた。更に、画像読みとり精度も上がって、4000dpiまで可能である。
故障したのを機会に、新しいフィルムスキャナを買えば良さそうなものだが、事はそれほど単純ではない。既に、世の中は、コンパクトカメラを中心に、デジタルカメラが隆盛で、デジカメからのプリントも、簡単にできる時代である。今更、銀塩カメラ(旧来のフィルム式カメラをこう呼ぶ)で撮影してフィルムスキャナでデジタルデータ化するのは、どう考えても、時代錯誤である。
私自身、インターネット上で、写真を公開する機会が増えているし、写真を送る場合も、メールに添付することが多くなっている。フィルムスキャナは、安くても7万円、高ければ16万円ほどと、ほぼ、デジタルカメラと同じ価格帯である。この際、デジタルカメラに移行するのも、一つの選択肢である。
しかし、これまで使ってきた一眼レフカメラ(ミノルタのα807si)とコンパクトカメラ(TC-1)にも未練はある。最安値を狙って買ってはきたが、私には安くない買い物だったから、それなりの思い入れと拘りもある。デジカメとフィルムスキャナを両方買えば、問題はたちどころに解決するが、それほどの甲斐性はない。
スキャナの候補として、NiconのCoolScan4000EDとCoolScanIVED、同価格帯のデジカメの候補として、NiconのCoolPix5000と5700が最終候補である。
2002年06月24日(月)
SUPER COOLSCAN 4000 ED
結局、悩んだ末に、フィルムスキャナを購入した。理由は、感覚的、情緒的なもので、他者を説得できるものではない。
残念ながら、デジタルカメラのレスポンスは、銀塩カメラを使い慣れた者には、違和感がある。私のカメラ歴は40年近い。良くも悪しくも、銀塩カメラに馴染んでしまっている。
例えば、ニコンのCoolPix5000で、電源投入後、4秒程度、待たなければ、写真を写せない。この4秒が気持ち悪いのである。自分でも困ったものだと思うが、気持ち悪いものは仕方ない。また、シャッターボタンを押した後、実際にシャッターが切られるまでにも、極めてわずかだが、タイムラグがある。
デジタルカメラは、発展途上の製品であるから、この先、数年で、このようなレスポンスの悪さは、大きく改善されるだろうし、画質も更に向上する。デジタルカメラは、その時まで、お預けである。
新しいスキャナは、極めて具合が良い。私が、以前使っていたのを第1世代とすれば、4000EDは第4世代である。デジタルカメラの進歩に比べれば、牛の歩みに似ているが、それでも、格段に進歩している。特に、LS1000には無かった、褪色フィルムからのスキャン、ゴミ・傷の除去、ざらつき感の除去機能は、実に便利である。
付属のソフトウェア(NikonScan3.1)も良くできている。6コマ単位で、サムネイル表示、プレビューが可能で、一枚ずつ、スキャン方法の指定をしておいて、連続スキャンができる。4000dpiで、4回程度スキャンし、上述した処理を行うと、使用するPCの能力にもよるが、1枚あたり、10分以内でスキャンが完了する。現在も、スキャンをさせながら、この文章を書いている。
強いて難を言えば、連続スキャンをしているときに、何枚目をスキャンしているかなどの情報を表示してくれるとありがたい。