Linux奮闘記

第2部 CentOS4.1とsamba3.0.10

 

最低山極悪寺 珍宝院釈法伝

最終更新  2005年07月07日

第1章 情報収集とインストール 

RedHat Linux と そのクローン

 5年前に比べると、Linuxの世界も大きく変わってきている。前回インストールしたRedhat Linux V.6.2は、V9で開発を終了し、その後、いくつかに分裂した。本家RedHat社、CentOS,Whitebox, Tao, Scientifc Linuxなどがそれである。RedHat以外のディストリビューターは、RedHatのソースコードを基本にしているので、著作権その他の権利関係がどうなっているのかよく判らない。現在のところ、RedHat社は、これらクローンに寛容なようだ。クローンの現状については、以下のサイトの記事が参考になる。

http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20081595,00.htm

 RedHat系以外のディストリビューターも悪いわけではないが、現状で、「寄らば大樹の陰」を実践すれば、RedHatとそのクローンが選択肢になる。私自身、RedHat6.2が長かったので、慣れの問題もある。そこで、結局、今回は、サポート無しなら無料かつアップデートのレスポンスが良いという理由で、CentOSを使用することにした。CentOSの評価については、以下のサイトが詳しい。

http://japan.internet.com/linuxtutorial/20050513/1.html

 なお、Linuxについての基本知識を求めるなら、以下のサイトが便利である。

http://www.atmarkit.co.jp/flinux/#0

 特に、Windowsについてある程度の知識がある場合、

「Windowsユーザーに教えるLinuxの常識」
Windowsのセオリーが通用しないLinux。Linux初心者向けに、LinuxというOSの考え方/常識をゼロから伝授!

 この部分はお奨めである。

CentOSの入手

 CentOSをはじめとして、Linuxのファイルは、多くのFTPサイトからダウンロードできるが、以下は、その代表例。

独立行政法人 理化学研究所
http://ftp.riken.go.jp/Linux/

 ここから、CDイメージファイルをダウンロードして、CDに焼けば、インストールに必要なCDが出来上がる。インテルのPentiumはi386系なので、今回は、
  CentOS-4.1-i386-bin1of4.iso
  CentOS-4.1-i386-bin2of4.iso
  CentOS-4.1-i386-bin3of4.iso
  CentOS-4.1-i386-bin4of4.iso
を使う。V4.1は、これを書いている時点での最新バージョンである。私は、DVDマルチプレイヤーに同梱されたB'sRecorderGoldを使った。

ファイルのチェック

 CDを焼く前に、ダウンロードしたファイルが完全かどうか確認する方が良い。インストール時に、インストーラがチェックするオプションを選んでも良いが、その場合、運が悪ければ、CDの焼き直し作業に戻らなければならない。実際、私の場合、#2ファイルに瑕疵があったようで、インストール時にインストーラーに指摘されて、作業を中断、慌てて再ダウンロードしてCD焼きをする羽目に陥った。
 確認には、md5チェックサムを使う。MD5チェックサムは、ファイルやテキストから計算される128ビットの値で、もとのファイルやテキストが1ビットでも異なると値が変化する。そのためファイルやテキストが正しくダウンロードされたか、改竄(かいざん)されていないかを確認するために使うことができる。

 方法は以下の通り。
 まず、ファイルからmd5チェックサムを作成するソフトを入手する。Windowsのコマンドプロンプトで実行するmd5sum.exeというのが、最も小さなプログラムだが、これ以外にも、グラフィカルなインターフェイスを備えたチェックサム作成ソフトがある。Linuxのファイル名は長くて数字やハイフンも多いので、マウスでファイル操作するのも悪くない。
 以下のページに、md5sumのチェックソフトについてのレビューがある。

http://www.cybernetic-survival.net/md5.htm

 私は、アップデート以外では、LinuxPCをインターネットに出さない方針なので、Windows用のGUIソフト、HashChecker (フリーウェア 作者:かみさか氏)を使った。
 次に、isoファイルと同じディレクトリにMD5SUMS.cdがあるので、これをダウンロードする。これは、テキストファイルで、例えば、以下のような内容になっている。

e938dd9c8f277485b296f28b9c06bb24 CentOS-4.1-i386-bin1of4.iso
90612f0fb1a763bf6e30adb97aa1114e CentOS-4.1-i386-bin2of4.iso
70d6c19c6985bd6317e6faac8a0cb0e3 CentOS-4.1-i386-bin3of4.iso
cf0ffec7a603dfedf9f89e4bb2adc821 CentOS-4.1-i386-bin4of4.iso

 後は、md5チェックサム作成ソフトの使用法に従って、ダウンロードしたファイルのmd5チェックサム値を計算し、md5sums.cd所収の値と比較するだけである。ふたつの値が一致すればOK。HashCheckerの場合は、まず、クリップボードに「e938dd9c8f277485b296f28b9c06bb24」をコピー、次に、エクスプローラーなどから、マウスでCentOS-4.1-i386-bin1of4.isoをHashCheckerの窓にドラッグ&ドロップしてやれば、HashCheckerが、チェックサムが一致するかどうかを判定してくれる。

データのバックアップ

 CentOS4.1に同梱されるsambaは、バージョンが3.0.10だった。バージョン2とは2バイト文字の扱いが変わっているので、従前のLinuxのデータディスクをそのままマウントすると、日本語ファイル名が文字化けする。そこで、データをWindowsマシンにバックアップ(待避)させる必要がある。幸い、AV用PCが大容量HDDを持っているので、こちらに待避させた。

CentOSのインストール

 ルーターの設定で、サーバー用PCのIPを決め打ちし、WANからのアクセス、WANへのアクセスを禁止する。
 PC起動後、DELキーでBIOS設定画面に入り、CDドライブを第一Bootデバイスに設定し、#1CDを入れて再起動。
後は自動的にインストーラーが立ち上がるので、指示に従ってインストールする。
 個人的には、ミスを防ぐため、インストールするハードディスク以外の電源は切っておく。

 カスタムを選択し、以下の通り、インストールする。特に書いていないものは、インストーラがデフォルトで選択したオプションのままである。

デスクトップ環境 
 Xwindow System
 GNOME デスクトップ環境

アプリケーション
 エディタ
 グラフィカルインターネットのFireFoxのみ

サーバ
 Windowsファイルサーバ (samba)

開発
 開発ツール

システム
 管理ツール
 システムツール

 インストールの手順や画面は、GUIの場合、基本的に、RedHat 6.2、9と違わない。9は正式採用しなかったが、6.2から一足飛びでCentOSに移行するのを危ぶんで、移行措置としてテストインストールしたものである。
 RedHat9では認識されなかったMarvell社の88E8801 Gigabit Ethenet Controller (P4P800Eのオンボードデバイス)とNVIDIAのGeForceFX(5200 Asus製ボード)もすんなり認識した。